部門を束ねるのは面白いけど、責任も重～くのしかかる

総支配人をトップに、ホテルの組織はさまざまな部門から成り立っている。その各部門を統括するのが支配人だ。総支配人ほどの重責ではないけれど、それでも肩に背負う荷物は大きい。大規模ホテルになると、各部門がさらに細分化されて、その現場スタッフのすべてが支配人の配下に組み込まれるのだから。

ホテルの組織は大まかに、管理部門、営業部門、宿泊部門、料飲部門、調理部門、宴会部門に分かれる。そして、それぞれの部門に支配人のポストが置かれ、業務を統括する責任を負うという形になっている。ただし、これはかなり大規模なホテルの場合で、ビジネスホテルなどでは部門の分け方がこんなに細分化されていないし、総支配人の下に副支配人がいるだけといった形もよく見られる。

部門が細分化されているホテルの場合でも、支配人職は宿泊部門、料飲部門、宴会部門に限られることが多いようだ。こういうケースでは、管理部門や営業部門は総支配人が、調理部門は総料理長が統括責任者になっている。

では、具体的に支配人とはどんな役目を果たすポストなのだろう。たとえば宿泊部門の支配人は、まず何よりも客室の稼動率を上げる（宿泊者数を増やす）仕事が優先。そのために、予算の効果的な使い方を考え、実行に移す。
むろん管理責任者として、フロントオフィス、ハウスキーピング、宿泊予約など配下にある各セクションがうまく機能しているかをチェックし、問題があれば注意を促し、場合によっては人事異動まで行う裁量権だって委ねられている。その反面、権限に伴う責任が、重くのしかかることも覚悟しておかなければいけない。人をコントロールする立場にある役職者には、当然のこととしてプレッシャーがかかるのだ。