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学校法人日本ホテル学院 専門学校 日本ホテルスクール

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~総支配人から高校生へのメッセージ 第4話(前編)~ メルキュール東京銀座 佐々木 博氏

新型コロナウイルスの世界的な拡大は、これまでに私たちの生活に大きな変化と影響を与えるとともに、ホテル業界においてもさまざまな対応が求められています。

ホテルの運営全般を担う“支配人”。
支配人という立場で、このコロナ禍をどのように受け止めているのか。

未来のホテル・ブライダル業界をめざす高校生へ、支配人からのメッセージをお届けします。

メルキュール東京銀座 支配人 佐々木博氏

第4話の今回は、メルキュール東京銀座支配人の佐々木博さんに話を聞きました。

フランスを拠点として世界100か国以上に様々なホテルブランドを展開するアコー。その一つ「メルキュール」は、ホテルの建つロケーションに流れる文化をストーリーとして演出する「ローカルインスパイアードホテル」として、同じブランドでもホテルのロケーションで異なる個性を持っている。2004年にアコー直営ホテルとして国内に初めて開業したメルキュールが「メルキュール東京銀座」。

――新型コロナウイルス感染症はホテルにどのような影響を与えましたか?
私たちのホテルは元来、お客様の外国人比率が高いホテルでした。2015年の訪日外国人旅行者の急激な増加から当ホテルの外国人客の比率は高まる一方で、さまざまな国からお客様を迎えられた賑やかで楽しい時期でした。そんな時に新型コロナウィルスの世界的なパンデミックが起きました。世界中の人々の移動が制限され、当ホテルに滞在する海外からのお客様もほとんどゼロとなりました。国内からのお客様も外出自粛やテレワークの推進などで、観光やビジネスでホテルを利用される機会が減っています。2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピック(2021年に延期開催)と世界的なイベントも重なり、今後も海外からのお客様は増え続け、業界が更に盛り上がる展望を誰もが持っていた矢先での出来事でした。

――一定の期間、休業するという選択肢もあったのではないでしょうか?
その選択肢は常にありました。第一にお客様や従業員の安全面でのリスクを考えねばなりませんでしたし、当時のビジネスの失速度合を見て、経営上の判断として休業を選択するホテルも周囲にはありました。私たちも営業と休業、いずれのケースも想定した試算を常にしていました。しかしホテルが休業してしまうと、営業を再開して以降、他のホテルと比べ認知獲得に出遅れていたと思いますし、お客様の最新の動向を理解するのにも時間を要したことでしょう。それまで海外のお客様の比率が多いホテルだったからこそ、厳しい状況下でも国内のお客様獲得の為に営業を継続する判断をしました。今でも、当時休業の判断をしていたら経営面ではどんな結果になっていたかと考えることがありますが、営業を続けたからこそホテルを立て直すために大切なものが沢山得られました。

――営業を継続して、得たものとは何ですか?
私たちのスタッフの多くは多国籍ですし、多様なバックグラウンドを持って働いているチームです。日本国内のお客様を以前よりも多くお迎えするために、コロナ禍で必要な心遣いなどを再確認して、チームが持つべき視点を考え直す良い機会になりました。ホテルの客室を製品的に販売する立場でいてはならず、客室や宿泊プランにどのようなスポットを当てて、どのようなストーリーを持たせて提供すれば良いかを試行錯誤しました。営業を継続したからこそ、お客様の反応を直に伺えたことも良かったと思います。

当ホテルのお客様の多くが海外からだった頃、お客様の旅の楽しみはホテルの「外側」にある観光の部分が多かったと思います。一方で日本国内のお客様をお迎えすると、東京や銀座の街をすでによくご存知で、昨今は近場のホテルでの滞在を楽しみにされるお客様も多く、ホテルの「外側」よりも「内側」に何かアトラクションがないかを期待されています。滞在先を選択されるお客様は、以前よりもホテルそのものに惹きつけられる「何か」を期待してくださっているのではないでしょうか。これは私たちの創意工夫が活かせる楽しい点だと思います。

メルキュール東京銀座 ホテル支配人 佐々木 博氏
1996年日本ホテルスクール卒業後、同校のスイスホテル研修生制度に選抜、チューリッヒのベストウェスタン・ホテルエアポートで料飲部門に勤務、帰国後はシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル、ホテルワトソンにて宿泊部門に勤務。2004年仏国ホテルグループ・アコーのメルキュール東京銀座でナイトオーディターからフロントオフィスマネージャーまでキャリアを重ね、2014年より系列のイビス東京新宿で副総支配人として勤務、2017年にアコーの人材開発育成プログラム「GM PASS」を修了。2019年メルキュール東京銀座に帰任しホテル支配人として勤務中。

――具体的にはどのような体験を提案したのでしょうか?
私たちに何ができるのか時間をかけて考えました。他のホテルで始めていることを真似るのではなく、このホテルだからこそ出来ることに挑戦してみようと話し合いを重ねました。「メルキュール」はフランスのホテルグループのブランドです。これこそが他のホテルと大きく異なるカラーでしたし、日本文化を楽しみにお越しになった海外のお客様には伝わりづらい個性でした。海外旅行ができない今だからこそホテルの個性を活かしてホテルで海外旅行気分を楽しめる宿泊プランを提案しました。それがフランス産のクラフトビールとチーズを、かわいいバスケットに閉じ込めてプチピクニックを演出したプランでした。

さらにメルキュールは、ホテルが所在するロケーションの文化をストーリーにするホテルです。ショッピングで有名な銀座でも多くの店舗や飲食店が営業自粛を求められている中、商業をされる方々がなお奮闘されている姿を目にしていました。行きつけのお花屋さんは外出自粛で人通りが減る中、毎日健気にお花を飾り、街ゆく人々にお花をすすめていました。ある日、フランス国旗の色を模した3色のバラが売れ残ったから、ホテルに飾ってほしいと譲ってくださいました。以前から取引のあった近くの洋菓子店に足を運ぶと、お店の方に「こんな時だけど力を合わせて何かが出来たら良いですね」とありがたいお言葉を頂きました。同じエリアにあるホテルとして私も地域の皆さんの力になれたらと思いました。

誰にとっても、まだ先が見えず、なかなか前向きにはなれない世の中ですが、記念日のお祝いや、日頃の感謝の気持ちを大切な人と分かち合おうとする想いはいつでも変わらないはずです。その想いを特別な場所としてホテルに表現してみようと、それぞれのお店の力を借りて、ベッドにフラワーシャワーをデコレートしたお部屋にケーキをお届けするアニバーサリープランが始まりました。

館内に宿泊以外の施設やサービスも備えるフルサービスのホテルと比べて私たちの施設に制約はありますが、ホテルを滞在するためだけの空間にせず、ホテルの個性、ホテルのロケーション、さらにはお客様の琴線に触れる発想を商品化して、お客様の想いに応えられるような素晴らしい宿泊プランが出来上がりました。これからも新しい体験を提供していけるように取り組んでいきます。

~総支配人から高校生へのメッセージ 第4話(後編)~ メルキュール東京銀座 佐々木 博氏 へ続く

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メルキュール東京銀座 客室 メルキュール東京銀座 客室

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