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連載 『これからホテルマンを目指すひとたちへ』

連載 #04 ホテルマンはゲストに育てられる

中島 宣由紀

40年のホテル勤務経験を後輩たちに伝えたい。

連載『これからホテルマンを目指すひとたちへ』

新年あけましておめでとうございます! 今回のコラムは、

#04 ホテルマンはゲストに育てられる


ホテルマンは常にゲストのことを考えて仕事をしています。
よく「相手の気持ちに立って考え、行動しなければいけない!」といわれます。しかし、入ったばかりの新入社員が一流ホテルに宿泊するご高齢者やスイートに宿泊する高額所得者の気持ちが分かるわけがありません。金銭感覚、人・物・時間あらゆる面での価値観、年齢などなどまったく異なるからです。

時は云十年遡り、私が若い頃、フランス料理でウェイターをしていた時のお話です。

ディナータイムによくご利用されるご夫婦がいらっしゃり、いつも食事を楽しんでお帰りになられます。私も何度か担当していましたが、そのうちご予約の際に当日のサービス担当を中島にして欲しいというリクエストをいただくようになりました。大変誇らしく、感激しました。
ところがそのご指名をいただいたときから、ご夫婦がお帰りになった後のテーブルには必ずワインが少量残っているのです。ご注文のワインはいつも高額で、ワインの本に出てくるようなムートン・ロートシルト、ラフィット・ロートシルト、オー・ブリオン、シャトー・マルゴー、シャトー・ディケムなどなど。私はいつも、そのワインのラベルをコレクトしていました。

しかし、なぜいつもワインを残していくのか? ご夫婦がご来店の際
「いつもワインを残されていますが、お口に合わないのでしょうか?」と伺ったところ、
「そうではないですよ、中島さんにいろいろなワインの味を覚えてもらいたいと思っているんですよ。そして将来私たち夫婦に美味しいワインとお料理を勧められるようなすばらしいウェイターに育ってもらいたいんです」

私は唖然としました。
ホテルに来られるゲストはいろいろいらっしゃいます。その中にこんなにもおおらか寛容な人たちがいらっしゃり、新米のホテルマンを見守り育てるような気持ちのある方がいるんだと感動しました。
ホテルマンだから何でも知ってるわけがない。新米のホテルマンよりベテランのお客様のほうが、料理もお酒も作法も詳しい。でも私はプロだ。その思いに応えられるよう、誰よりも早く完璧にサービスできるようになろう。私はそう思い、がむしゃらに勉強しました。

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