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強いぞ!日本の観光業界 【6】 ホテル総支配人が語る、コロナ禍のホテル。これから求められる人材とは?

ANAクラウンプラザホテル エリア総支配人(広島・福岡・金沢・富山)、ANAクラウンプラザホテル広島総支配人 原めぐみ氏

~総支配人からのメッセージ 第1話~

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大は、これまでに「外国人観光客数99.9%減少」、「緊急事態宣言の発令」、「Go Toキャンペーン事業開始」など、私たちの生活に大きな変化と影響を与えるとともに、ホテル業界においてもさまざまな対応が求められました。

ホテルの宿泊部門、料飲部門、セールス&マーケティング部門、人事・経理部門などの各部署の管理を含めたホテルの運営全般を担う“総支配人”。総支配人という立場で、このコロナ禍をどのように受け止めているのでしょうか。

ANAクラウンプラザホテル エリア総支配人(広島・福岡・金沢・富山)、ANAクラウンプラザホテル広島総支配人として活躍している本校の卒業生でもある原めぐみさんに思いを語っていただきました。

(2020年11月取材)

ANAクラウンプラザホテル エリア総支配人(広島・福岡・金沢・富山)、ANAクラウンプラザホテル広島総支配人 原めぐみ氏

――新型コロナウイルス感染症はホテルにどのような影響を与えましたか?
世界的な感染拡大は、訪日外国人観光客の急激な減少、緊急事態宣言の発令による移動制限により旅行や出張が自粛されました。それに伴い、日本人のみならず、外国人の宿泊を目的にホテルを利用するお客様が減少しました。緊急事態宣言が解除されてからもビジネスにおいては、出張しなくとも会議はオンラインでできるということもあり出張を伴う宿泊ビジネスも減少しました。

また、感染予防を目的とした施設の使用制限の要請などによりビジネスに関連した一般宴会や婚礼を目的とした宴会場を利用するお客様も減少しました。しかし、その一方でホテルを利用するお客様の目的の変化に対応するため、「ワーケーション」や「ステイケーション」などの新しい宿泊スタイルを作り出し提案することができました。

――今、ホテル総支配人として大切にしていることは何ですか?
コロナ禍においては、特に“人をケアすること”を大切にしています。心が折れやすくなっている従業員や不安になられるお客様が多い中で、“楽観的でいること”を心がけています。不安な状況は続いていますが、“いずれコロナが収束する”というメッセージを従業員に、そしてホテルがある街に伝え続けることが大事。街の中にどこかに灯があるということは人間生活の中で必要なことだと思います。

私たちのホテルでも1階のラウンジを一時的に閉めるべきだという論議がありました。しかし「ホテルの1階の灯を消すことはできない。街の人たちはホテルの灯が消えたと不安に思う。従業員にとっても心の灯が消えてしまう。1階の灯はどれ一つ消してはならない」と従業員に力説しました。結果として、1階のラウンジは一時閉店せず、実際に従業員からも「やっぱり灯があるっていいね」といった声、そしてお客様からも「クラウンプラザには灯があったので入ることができた」といった声を頂き、継続し続けることの重要性を再認識しました。

ANAクラウンプラザホテル エリア総支配人(広島・福岡・金沢・富山)、ANAクラウンプラザホテル広島 総支配人 原 めぐみ氏
1993年卒業後、オーストラリアのシェラトン・ホバートに勤務。帰国後、東京ヒルトン入社。ホテル業界向けシステムの会社を経て2007年IHG・ANAホテルズグループジャパンに入社、ANAクラウンプラザホテル神戸とANAインターコンチネンタルホテル東京の副総支配人、ANAクラウンプラザホテル福岡総支配人を歴任し現職。

――コロナによる影響で、ホテルスタッフの皆様の意識や提供するサービスに変化はありましたか?
コロナによる不安は誰もが持っていることだと思います。私たちのホテルでも悩みを打ち明けるスタッフもいました。そういった中でも、いずれコロナは収束する、夜は明けると話し合いを続けました。

また、クラウンプラザホテルブランドを利用いただくお客様には、コロナ禍の前後に関わらず、私たちが掲げるブランドサービスを提供できるように努めています。感染症に対する高い意識を持つお客様もいらっしゃる中で、ホテルのクレンリネス(=ホテルを清潔な状態に保つこと)に関した新しい基準の導入を行い、安心してホテルを利用していただけるようにしました。それに伴い、館内の業務に携わるホテルスタッフ全員へのトレーニングも実施しました。

――コロナ禍におけるこれまでの経験から、ホテル業界はどのような人材を求めているのでしょうか?
コロナとの共存が求められる生活の中で、私たちは行動や時間を制限されるようになりました。人は抑圧されている状態が続くと、そこから解放されると褒美が欲しい、あるいは非日常を体験したいという欲求が強くなると思います。その欲求を満たすためにホテルそのものは求められるはず。そして新しいカタチでホテルは人々から求められ続けます。非日常体験を楽しみたいというお客様に対して、その楽しみ方を提案できる人材です。

そして「何が大切なのか」に対して向き合え、主体性を持って発信できる人材が求められるでしょう。お客様がおっしゃることに対し、指示によってサービスを提供する「受け身」ではなく、自身の意思や判断に基づき責任をもって行動する主体性を持った人材こそがホテル業界を支える存在になるのだと思います。

もう一つ付け加えるとするならば、困難や逆境の中にあっても心が折れることなく状況に合わせて柔軟に対応する力“レジリエンス”も大事な能力の一つだと感じています。

――コロナはホテルに大きな影響を与えました。ホテルやブライダルの仕事に興味を持つ高校生にとってホテル業界はめざすべき業界の一つに変わりはないのでしょうか?
コロナの拡大はホテルの宿泊稼働率が減少するなど大きな影響を与えています。しかしながらコロナ禍で人々の新しい需要が生まれたのも事実です。私たちの行動が制限されたからこそ、旅行することの楽しさ、飲食店で友人や家族と一緒に過ごすことの楽しさが再認識されるようになりました。これからの旅行や観光、そしてホテルビジネスは「体験」をより大切にすることに焦点をあわせるユニークなビジネスになっていくと思います。

そして、コロナ禍を通して、やはり無人ホテルよりも有人ホテルの方が楽しいということがわかりました。無人チェックインやタッチレスなど人との接触を可能な限り少なくし、かつ、利便性が高いホテルが登場する一方で、人々からリゾートホテルが求められていることも事実です。これは「ホテルに人がいることによる安心感」の現れだと思います。先日、ホテルに宿泊する機会があったのですが、やはりホテルスタッフと話をすると面白いんです。人のユニークさを体験し、料理やワインが美味しい。だから、「このホテルは、いいな」と純粋な気持ちが生まれます。「人も揃ってこそ、ホテル」なんだと思います。

――近年、日本にも世界中で展開する新しいホテルブランドが続々と登場しています。そして、ホテルも時代に合わせて変化しています。だからこそ活躍の場所”ホテル”も、シティホテルに留まらず、多様なラグジュアリーホテル、生活様式に合わせたライフスタイルホテルなど選択肢は増えています。今回、ホテルの総支配人という立場である原さんの思いをお聞きし、ホテルにおける「人」の役割を再認識するとともに、ホテルはそのホテルに合った優秀な人材の確保と、人材の育成は優先すべき課題の一つであることを再確認することができました。本日はありがとうございました。

広島、福岡、富山、金沢を統括するエリア総支配人の原めぐみ氏 広島、福岡、富山、金沢を統括するエリア総支配人の原めぐみ氏
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